イタリア国旗に込められた3色の意味:緑・白・赤、それぞれの物語

イタリア国旗に込められた3色の意味:緑・白・赤、それぞれの物語

【イタリア国旗の歴史】

イタリア国旗は緑・白・赤の縦3色で構成され、通称「トリコローレ(Tricolore)」と呼ばれています。

フランス革命の影響を受け、1797年にイタリアで初めて制定されたこの旗には、イタリア人の歴史と精神が色濃く表れています。

 

各色には単なる装飾を超えた深い意味が込められており、それぞれが祖国に対する誇り、自然、宗教、歴史への敬意を象徴しています。

 

【国旗の起源】

フランスの3色旗が起源で、英雄と言われるナポレオンが18世紀末頃に使用したことが、イタリア国旗の始まりの由来と言われています。

その後にイタリア統一運動の象徴となり、1861年に国旗として制定されてから、王国廃止まで85年間、イタリア半島を統一したサルディーニャ王国の国旗をオリジナルとして、中央エリアにサヴォイア家の紋章が描かれていました。

 

【国旗の色の意味は?🧐】

緑(ヴェルデ:Verde)は、イタリアの肥沃な大地や丘陵を思わせる色であり、豊かな自然と再生を象徴します。またキリスト教的な象徴では“希望(Speranza)”を意味するともされます。

特に北イタリアに広がる草原やブドウ畑、オリーブの森などと結びつくことが多く、国の地理的特性が反映されています。さらに19世紀の独立運動では、緑が新しい統一国家の誕生への希望を表したともいわれています。

 

白(ビアンコ:Bianco)は、アルプス山脈の雪や純潔を表す色として受け取られています。

精神的には“信仰(Fede)”の象徴ともされ、カトリックをはじめとする宗教的価値観を尊ぶイタリア人の心と深くつながっています。

また白は中立性と平和への願いを示す色でもあり、統一前の様々な地方国家がひとつになるプロセスにおいて「和解」や「調和」という意味合いが込められることもあります。

 

赤(ロッソ:Rosso)は情熱、勇気、愛国心を象徴すると同時に、“犠牲(Carità)”の意味も担っています。

これは、イタリア統一運動(リソルジメント)で命を落とした人々への追悼や、祖国のために血を流す覚悟と勇気を語る色です。

またイタリア人の情熱的な性格や芸術、音楽、料理などに表れる「心の炎」も、この赤に投影されていると解釈されることがあります。

このように、イタリアの国旗は単なる3色ではなく、それぞれが歴史、文化、精神性を宿しています。

3色は分かれていながら調和し、イタリアの多様性と統一、自然と信仰、情熱と平和が共存する国家のアイデンティティを象徴しているのです😊🇮🇹

 

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