
ギリシャ語の数字に宿る知恵:ゼロが生まれる前の世界と文化の記憶
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【ギリシャ数字とは? 】
古代ギリシャでは、現代のアラビア数字とは異なる文字による記数法が使われていました。
代表的なのは「イオニア式」と呼ばれる方式で、ギリシャ文字のアルファベットを数字として用いるものです。
たとえば、α(アルファ)は1、β(ベータ)は2、γ(ガンマ)は3…と続き、900までを24文字+3つの廃字で表現していました。※廃字とは、言葉としては消えたけど、数字として生き残った文字たちです。
では2025は?ギリシャ数字で、どのように示すのでしょうか🤔
読み進めて行く途中に、答えが見えてきます😎
【数字に映るギリシャ文化🏛️✨ 】
ギリシャ数字は単なる記号ではなく、哲学・建築・天文学などの知の体系と深く結びついていました。
ピタゴラス学派は「すべてのものは数である」と唱え、数字に神秘的な意味を見出しました。 またギリシャの数詞の読み方に由来する接頭語は、現代の科学用語や単位にも多く残っています。
【ゼロが存在しなかった時代 】
驚くべきことに、古代ギリシャには「ゼロ(0)」という概念が存在しませんでした。ギリシャ哲学では「無=存在しないもの」とされ、数として扱うことに抵抗があったのです。
ゼロの概念が数学に取り入れられるのは、後のインド数学の発展とアラビア世界を経由してからです。
ギリシャ数字は加算的な記数法であり桁の概念が曖昧だったため、ゼロの必要性が生まれにくかったとも言えます。
【ゼロの誕生とその後 】
ゼロは、インドで5〜6世紀頃に「空位」を示す記号として登場し、やがて「数」としてのゼロへと進化します。
アラビア数学者たちがこの概念を受け継ぎ、12世紀以降ヨーロッパに伝わることで、十進法とともに現代の数字体系が確立されていきました。
ギリシャが築いた知の土台の上に、ゼロという“無の力”が加わったことで、数学は飛躍的に進化したのです。
【歴史の中のギリシャ数字 】
ギリシャ数字はローマ数字やヘブライ数字、さらにはアラビア数字の発展にも影響を与えました。
特にイオニア式は短く効率的に数を表せるため、商業や天文学の記録にも使われていたとされます。
ただし複雑な計算には不向きだったため、計算にはアバカス(算盤)や記号的な補助具が使われていたようです。
【2025はギリシャ数字で表すと?🤔】
͵Β(2000) + Κ(20) + Εʹ(5)=2025
͵ΒΚΕʹとなります。1000以上は、コンマ記号で表します。
ではΒΚΕʹは225と書いてしまいそうですが、答えは27。225を示すときは、Σ(シグマ)が200、Κ(カッパ)が20、Εʹ(エプシロン)が5で、ΣΚΕʹとなります。
ちなみにコンマとも呼ばれますが、ギリシャ数字の世界では、1000以上の印の左下のコンマは、アリステリ・ケライア、終わりの右上のコンマは、これは数字ですの印のデクシア・ケライアと呼ばれています。ケライアは、古代ギリシャ語で、しるしや、角のような意味です。
正式には各数字にデクシア・ケライアをつけるのですが、現代は、順序番号や伝統的文脈などを除いて、一番右1桁最後のデクシア・ケライア以外は省略され、年号や一般的な数字は日本人も日常で用いている、(カンマ使用、例2,025)現代アラビア数字が用いられています。
【数字に宿る文化の記憶 】
ギリシャ数字は、今も時計の文字盤や哲学書、建築装飾などにその姿を残しています。
数字は単なる道具ではなく、文化や思想の反映でもあり、 ギリシャ文字は同時にギリシャ数字にもなる、古代の詩のように数に意味と美しさを与えて、ギリシャ文字を愛する人々を魅力しています。
ゼロがなかった時代の数字たちは「存在するものだけを数える」世界の美学を今に伝えてくれているのかもしれません😊0️⃣✨